何事も絶対的な「ふつう」は存在しない 〜食の多様性とは? 絵本「からあげビーチ」〜
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今週は、「食の多様性」について学べる絵本、『からあげビーチ』をご紹介します。
タイトルは「からあげビーチ」。気になりますよね。どんなお話かというと、、、、夏のビーチにやってきたからあげ家族。そこには、世界中からたくさんのからあげたちが集まっています。
「さあ、さあ、ころもをぬごう!」と裸になるからあげたち。大豆ミート、グルテンフリー、ハラール…見た目ではわからなかった様々な中身のからあげたちに次々と出会う、という物語です。
この本は、「レアキッズ応援本シリーズ」の第1弾として先月発売。
アレルギー持ち、海外にルーツがある、左利きなど、人と違う部分を持つ子ども(レアキッズ)を応援する絵本シリーズ。作者のキリーロバ・ナージャさんは、子ども時代を6カ国(ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ)で過ごし、何事も絶対的な「ふつう」が存在しないことに気づき、ご自身の体験に基づいて、すべての子どもを応援するために作られました。
では、「レアキッズ応援本シリーズ」の第1弾、「からあげビーチ」について、作者のキリーロバ・ナージャさんにお話いただきました。
個性を喜ぶということを教えたくて作った本
「食の多様性が学べる本になっています。例えば、菜食主義のベジタリアンとか、ビーガンとかの方もいますし、あと宗教で食べられないものがある、イスラム教だとハラールがあると思うんですけど、あとアレルギーを持っている子供たちが最近いるんですけど、そういう絵本の中にもいろんな種類の唐揚げが出てきて、見た目ではなかなかその違いってわからないけれども、実はこんなに違いがあって、いろんな人がいるからいろんな唐揚げがある。みんな個性があるので、その個性を喜ぶというか、みんないいよね、っていうことを教えたくて作った本になります。その背景、私も実はお肉を食べない、ペスカトリアンというお魚を食べるんですけど、お肉を食べない、もう25年ぐらい食べてないんですけど、まだ自分が小中学生で日本に行った時に、給食とかでもやっぱり食べられないものがすごく多くて、大変な思いもしたんですけど、でもこの本を通して、子供たちとか周りの大人たちが、その食の多様性について知っていくと、みんな食べられないものがある子も励まされたり、世の中のちょっとそこに対して自由になっていったりするといいなと思って描描書いています。
難しいテーマだけど、からあげとか、好きな食べ物が出てくると親近感がわいたりしてくるので、そういうところから入って、こんなからあげがいた、食べてみたい、どんなからあげがいるんだろうと、子供たちが自分で新しい味に出会ったり、こういう人もいるんだと知っていくと、大人になった時にも、みんなが暮らしやすい世の中になるんじゃないかと思っていますね」
今後も、「レアキッズ応援本シリーズ」として多様性を知る絵本が登場します。夏頃には、”左利き”に関するおはなしの絵本が発売予定!
『からあげビーチ』は、文響社より発売中です。
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