Wican プロジェクトを手がける・岡田武士さんが語るエンタメ観賞用イヤーマフの魅力

2020.10.1
Wican プロジェクトを手がける・岡田武士さんが語るエンタメ観賞用イヤーマフの魅力

Wican にて 10 月に公開されたファミリー向けコレクションの第 1 弾。中でも注目されている“子ども向けエンタメ観賞用イヤーマフ”について、Wican プロジェクトを手がけるユニバーサル ミュージック合同会社の岡田武士さん(EMI Records マネージングディレクター)にお話を伺いました。Wican への想いとイヤーマフのこだわりや誕生の経緯には、音楽シーンを牽引する企業ならではの家族時間への想いがありました。

耳への配慮と音楽体験を実現する新しいイヤーマフ

第 1 弾のコレクションには、音楽を聴くことがメインのアイテムをリリースしたいという想いがあったと語る

——Wican の初のファミリーコレクションの第1弾として開発した「子ども向けエンタメ観賞用イヤーマフ」は、どんなアイテムでしょうか?

子どもの耳は大人に比べて音に敏感で、WHO(世界保健機関)は、音楽イベントなどのエンタテインメントにおける子どもたちの難聴リスクを指摘しています。いま、日本で流通しているイヤーマフの多くは海外製の防音効果を強調したものばかり。我々は音楽を届ける立場なので、聴覚保護をしながらも音楽の臨場感や迫力が伝わる、イヤーマフを作りたいと考えました。

そこで、監修に迎えたのが多くのミュージシャン、サウンドエンジアから信頼されるカスタムイヤーモニターのメーカーFitEar の須山慶太さん。“音楽を安全に楽しむ”ために耳や聴覚の仕組みや役割を知り、また多くの方に関心を持ってもらうためのプロジェクト・SAFE LISTENING にも携わっている方です。

Wican Earmuffs for Entertainment Black Package(6,600 円・税込)

「子ども向けエンタメ観賞用イヤーマフ」は、ライブコンサートやエンターテイメント会場など音量は抑えても音楽が持つバランスはなるべく変えないように設計されています。親子でライブに行けば、親が聴いている音楽を子どもは適した音量で聴け、一緒に楽しむことができます。オンラインライブなどの取り組みもありますが、ライブでエンタテインメント感じる、リアルだからこその感動があります。子どものうちから、そういった体験をしてほしいと思いますね。

——音楽を鑑賞するためのイヤーマフは、珍しいアイテムですね。開発にいたったきっかけを教えてください。

仕事柄ライブやコンサートの現場に立ち会う機会が多くあり、その度に小さなお子さんを連れているファンの方を見ていました。フェスなど席がない会場だと、ステージに近い場所で見られるチャンスがあると思うのですが、そんな時に「子どもがいるから」と諦めるのは少しもったいないなと。また、アーティストからも「ライブ中に客席に子どもを見かけ、音量が子どもの耳には危険ではないか気になる」という声も聞いていました。

フェスやライブを楽しむ人は増えており、子どもと一緒に行く人たちも増えました。そんな、親子で音楽イベントを楽しむ時の助けになるアイテムを作りたいと思いついたのが、音楽を聴くためのイヤーマフでした。

——このアイテムを使って、どんな楽しみ方をして欲しいですか?

ライブやコンサート、フェスなどの音楽イベントはもちろんですが、スポーツ観戦などの他のエンタテインメントを楽しむ時に使っていただけると思います。スポーツを応援する時の鳴り物の音は、子どもの年齢によっては怖く感じることもありますが、これを使えば耳の負担にならない音量になりますし、意外と大きな音で気になる飛行機のエンジン音の聞こえ方も下げることができたり、車や電車での移動中などいろいろな使い方ができると考えています。使っていく皆さんが、新しい用途を見つけてくれたらと思っています。

子どもがいる親には「子どもがいるから」という理由から、色々なエンターテイメントを楽しむことを諦めてほしくない。「イヤーマフがあるから一緒にライブに行けるね」となったら嬉しいです。また、適切なボリュームで音楽が聴けるので、親だけでなく子どもも楽しめるはず。親も音の心配をあまりせずに安心して子どもライブに連れて行けるようになりますよね。

親子でもっとエンタテインメントが楽しめる未来を作りたい

イヤーマフのような音楽に関するグッズ以外にも、親子でのお出かけの助けになるようなグッズの開発を進めているそう

——子どもを連れてエンタテインメントを楽しむには、様々な障壁があります。親と子のお出かけをもっと楽しくするために、他にはどんなことを考えているか教えてください。

子どもがいると「子どもがいるから行けない、できない」ということがどうしてもでてくることは事実です。そもそも、子どもと一緒に出かける前の準備から公共の乗り物に静かに乗れるか、子どもと利用しやすいトイレやレストランはあるかなど、一緒に出掛ける大人側の心理的なハードルにもなる課題はたくさん。Wican はそんな心配事を少しでもなくすようなアイテムや場、環境作りなどをサポートしていきたいです。

いつか、子ども向けの音楽フェスもやってみたいですね。子どもが行きたくなって、親が子ども連れてこられるようなフェス。子どもがいるからこそ行ける場所やできることがあってもいいと思っています。

——今後、Wican を通してどんな未来を作っていきたいと考えていますか?

Wican は、「親と子がより楽しくなるように」という想いから活動しています。我々の会社は音楽、アーティストが中心の会社ですが、ジャンルを問わず、親や保護者の皆さんをサポートし、子どもとの時間が楽しめるコンテンツ作りなどこれからは大人も子どもも、両者が楽しめるようにしていきたいですね。音楽をはじめとするエンタテインメントには子育てや子どもといる時間を楽しくサポートする力があると思います。

岡田武士
1983 年 11 月 5 日東京都生まれ。法政大学経営学部卒業。新卒でユニバーサルミュージック合同会社に入社。2 年目からデジタルマーケティングのセクションに在籍し、主に配信業務を担当。ミリオンダウンロードを多数輩出。5 年間同セクションに従事後、人気アーティストの宣伝担当を担当。2017 年は、新規事業として博報堂と「クラヤミレコード」や、地方創生プロジェクト「Music Meets Japan」等を立ち上げる。2018 年 1 月に、EMI Records マネージング・ディレクターに就任。

TEXT/MARIA KAWASHIMA PHOTO/DAN NOGUCHI

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