使いやすい道具を使い 親も子もストレスフルな お手伝いを促す工夫とは

2021.6.16
使いやすい道具を使い 親も子もストレスフルな お手伝いを促す工夫とは

かごやキッチン用品など、センスある暮らしの道具について発信し、6.2万人のフォロワーを持つインスタグラマーKanaさん。4人のお子さんとご主人の、賑やかな5人暮らしです。おしゃれなだけでなく、日常生活に馴染む落ち着きのある古道具や、いい匂いが香ってきそうな台所仕事の様子は、眺めているだけでも癒されます。温かいアカウントの雰囲気そのままに、優しい声と笑顔が素敵なKanaさんに、おすすめの道具や、大事な道具を通じて生まれるご家族とのコミュニケーションについてお伺いしました。

統一感は色味を揃えるのが基本部屋に古道具を馴染ませるコツ

——いつも素敵なキッチン道具をインスタにアップされていますが、Kanaさんが道具を購入される基準は何でしょうか。

「まずは“自分が必要”というのが大前提ですが、買った道具をしまう場所があるか、子どもたちも使えるかどうかを考えて探し始めます。購入する時は、例えば“さくらんぼの種をたくさん取るから、そのための便利な道具はないかな?”というところから考え始めますね。元々それほど道具にこだわっていた訳ではなかったんです。でも数年前に家の道具を買い換えるときに、色味はあまりないもので揃えようと思い立って、木やステンレスやアルミなどの素材を中心に集め始めました」

——最近賃貸マンションにお引っ越しされたそうですが、新しい部屋に古い道具をなじませるコツはありますか?

「今の賃貸マンションは床が白っぽかったので、防音も兼ねて床に暗めの色のクッションフロアを敷きました。それで古道具や茶色のかごがしっくりと馴染むようになりましたね。インテリアが白と茶色だけでは物足りないので、黒やシルバーの道具をアクセントにしています」

長く大切に使い続けるふきんと初心者におすすめの道具

——Kanaさんは、好きな道具をとても大切に使っていらっしゃる印象があります。ふきんは毎日のように煮沸されていてすごいなあと。

「『びわこふきん』は洗剤なしでも食器の汚れが落とせると聞いて使い始めました。今は末っ子が小さいので洗い物の時間が長く取れず、洗面所やキッチンの掃除に使っています。朝、洗顔後に洗面所をさっと掃除した『びわこふきん』と、キッチンの手拭き用リネンなどを、『野田琺瑯』のたらいで煮沸する、というのが日課です。『野田琺瑯』のホーロー容器はいくつも持っていて、薄力粉やパン粉のストック用の保存容器にも使っています」

——かごも色々なものをたくさんお持ちですよね。初心者にも使いやすいおすすめのかごはありますか?

「初心者の方におすすめなのは、岩手県の篠竹で作られている手付きの竹のかごです。揚げ物を入れたり、麺の湯切りをしたり、野菜の水をきったり、使い道は色々。手付きであればどこかに引っ掛けて乾かせるので便利です。使い終わったら洗って、サッと拭いて干すという作業さえやっておけばカビも生えにくい。手付きではないのですが、うちにも同じ篠竹のかごがあって料理によく使っています」

——インスタにアップされているガラス製品はどれも素敵ですが、割れたりして扱いが難しそうに感じてしまいます…

「私が最初に買ったガラス製品は『KINTO』のガラスポットでした。ガラスが薄過ぎず使いやすいんですよ。初心者の方には厚めのガラスボウルがおすすめです。重みがあって具材を混ぜやすく、匂いが移りにくいのもポイントですね」

キッチンは家事をするだけでなく子どもたちとの大事な団欒の場所

——1歳のお子さんがいらっしゃる中で、上のお子さんたちとコミュニケーションをとるのは大変ではないですか?

「以前住んでいた家では、キッチンの作業台の周りにスツールを置いていました。子どもたちと話す時間を捻出するのが難しいので、末っ子が寝た後に上の3人の子達と集まっていたんです。私は作業台で台所仕事をしながら、子どもたちはスツールに座って夜食を食べたり、一緒におしゃべりをしたりする。娘とは、串を刺したいちごやぶどうなどにシロップを絡めたフルーツ飴をよく作りました。子どもたちとコミュニケーションを取れる場所として、とてもよかったなと思います」

——家事をしながら家族団欒の時間がとれるのはいいですね。お子さんたちとの関係性がとても良さそうですが、みなさんお手伝いなどもされたりしますか?

「末っ子を妊娠中、つわりが酷かったんです。その頃から末っ子が産まれてしばらくの間は、上の3人の子どもたちが順番で食器洗いを担当してくれていました。夫が“お母さんは今家事をするのが大変だし、みんなもう洗い物ができる年齢だと思うよ”と提案してくれて、家族で話し合いました。曜日ごとに誰が担当するか決めて、子どもたち3人持ち回りで。今思うとよくやってくれていたなと思いますが、本当に助かりました」

お手伝いの道具は、成長に合わせ子どもが扱いやすいものを

——そんな風にご家族のために協力し合えるお子さんたち、とても優しいですね。

お手伝いをするときにお子さんが使いやすかった道具はありますか?

「子どもたちが自分で果物を切る時用の小さなカッティングボードは、小さな手でも軽くて扱いやすく、買ってよかったと思います。“食べたいものがある時には、自分たちで好きなものを作ってみたら?”と伝えたら、最近は時間があれば土日の朝うどんを作ったりしていますね」

——こだわりの道具を使うことで、ご家族にもいい影響がありそうですね。

「子どもたちは、日常に溶け込んだ色々な道具を自然に使う環境で育っています。卵かけご飯を例に取ると、卵をかき混ぜる道具と言えば箸ではなく、子どもたちは普段うちで使っている“小さい泡立て器”を思い浮かべると思うんです。卵を入れる容器も、注ぎ口がついていて卵をこぼしにくい片口の器を使っています。お手伝いを見守る側としては、子どもが失敗すると、どうしてもイラッとしちゃうことありますよね。扱いやすい道具を使うことで“上手に出来たよ!”という成功を体験させてあげると、子どもの自信や成長にも繋がりますし、親もストレスが減って、お互いにとっていいのかなと感じますね」

<プロフィール>
Kana
2015年頃よりインスタグラムで好きな道具を掲載し始め、現在は日々の暮らしと道具についての情報を発信するインスタグラマー(@ka.na.man)。実用的でありながらおしゃれな道具とナチュラルな暮らしぶりが注目を集め、フォロワーは6万人を超える。夫、娘(中2)、息子(中1、小5、1歳)の5人暮らし。

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